2015年11月22日日曜日

「安保関連法に反対するママの会」からのスピーチ

「世界こどもの日」トークイベント
11 月20 日は国連が定めた「世界こどもの日」です。「児童の権利に関する宣言」と「児童の権利に関する条約」が採択されたこの日に、フォーラムの原点に立ち返り、これからの活動を再確認する意味を込めて、日本出版クラブでトークイベントを開催しました。題して「私たちは「立憲主義」と「民主主義」を取り戻すまで活動を続けます」。参加者は270名。アニメーション監督の高畑勲さん、「安保関連法に反対するママの会」代表の方、「SEALDs」の山田さん、児童書作家たちのスピーチに熱心に耳を傾けていました。

©はたこうしろう

【プログラム】 
第1部 スピーチ   高畑勲氏(アニメーション映画監督)
           「安保関連法に反対するママの会」
           「SEALDs」
第2部 リレートーク)那須正幹氏(作家)
           あさのあつこ氏(作家)
           長谷川義史氏(絵本作家)
           伊勢英子氏(絵本作家)
           村上康成氏(絵本作家)
           柳田邦男氏(評論家)




《「安保関連法に反対するママの会」の方のスピーチ原稿をご紹介します》

今日はお招きいただきありがとうございます。
安保関連法に反対するママの会の3歳の息子を持つママです。

ママと称される女性たちは、人生の新しいステージで、がむしゃらに日々を送っている世代です。

出産・家事・育児と仕事だけでなく、近年は介護を抱えるママもいます。

そんなママの集まりですから、スピーチのお話しをいただいても、都合がつかず、幾つかは、やむなく辞退させていただいているのが現状です。

でも、この機会だけは、子どもたちの絵本の作り手が、子どもたちの未来を語るために集うこの機会だけは断りたくないと思い、私は、いま、ここに立っています。

私は、これまで、スピーチをしたことはありません。
7月26日 2千人のママが集まった「ママの渋谷ジャック」にすら行けていません。
なぜなら、家族の、もっとも理解し会いたい相手、パートナーの、理解を得られていないからです。
これまで顔を出して第一線で頑張っているママなどがいらっしゃるなか大変申し訳ないのですが、そのような事情で、このスピーチにおいては個人が特定できる情報は、snsでアップしないで下さい。

「安保関連法案に反対するママの会」は、「だれの子どもも、ころさせない」。この合言葉を一致点に、あつまったママたちの会です。
 所属や思想信条、支持政党も問いません。
 「Facebook」で、この会を立ち上げた発起人、西郷みなこさんは、京都在住・3児の母です。
署名サイトを開設し、翌日までに600人、10日で2千人とみるみる膨れ上がり、現在、署名は2万3千筆です。
フェイスブックを通じて集まった13人のママたちは、7月、初めてのミーティングと記者会見をし「ママの渋谷ジャック」ハチ公前街頭宣伝&デモを行うことを発表し、マスコミにも取り上げられました。
全国から集まった親子連れが「ママの渋谷ジャック」で「だれの子どももころさせない」と声をあげました。ハチ公前でスピーチにたったのは、新潟、千葉、神奈川、東京、京都、福岡在住のママです。
街宣、デモあわせて2000人の参加でした。翌月には「ママの国会大作戦!」として安保関連法案審議中の参議院議員会館にて、全国からママが集まり集会を開催。賛同メッセージ約2万人分を全政党に届けました。その後も、議員さんとピクニックをしながらお話しを聞いたり、毎週、国会前でコールをしたり、ママならではの方法で安保関連法廃案に向けて行動しています。

毎週金曜日、国会前でコールするママたちが見るもの、
そのママたちを見る者、いったい誰だと思いますか?

それは、修学旅行や、社会科見学に来ている子どもたちです。
金曜日平均1000人以上
多い時には1500人以上の
子どもたちが、議事堂から出て来て
正門前を通って帰って行くのです。
「ママは戦争しないと決めた」このコールは、
まさに、子どもたちへの約束だと思います。
ママの姿勢を本気を、そして未来への約束を、未来の主権者である子どもたちにしているのです。

戦争させない
子どもを守る
戦争させない
大人も守る
ママは戦争しないと決めた
パパも戦争しないと決めた
みんなも戦争しないと決めた
70年間決めてきた
戦争の道具作るのやめよう
戦争の理由作るのやめよう
だれの子どももころさせない

道を挟んで向こうの国会見学にきた小中学生の殆んどの子どもがコールに反応して、戦争させない、子どもを守ると、 手をふって元気な声でコールを返してくれるそうです。

私たちママは、なかなか自分の時間はを持てないかもしれません。
また、自由に出かけられないかもしれない。
でも、ママだからこそ知っていることがあります。

小さな命がお腹の中に宿る時、それはいくつもの奇跡の積み重ねだということ。
その小さな儚い命が10ヶ月、無事にお腹の中で育ってくれることは決して当たり前のことではないということ。
その命が、無事にこの世に生まれてきた時の苦しみと痛みと喜びの涙。
たった一つの命がどれほど重くてかけがえのないものなのかということ。
私たちは知っています。
その子が大きくなるまでの毎日毎日が一喜一憂の繰り返しであることを。
泣き叫べぶ我が子を夜明けまで抱いてすごしたこと。叱りすぎたことを寝顔に謝る夜も…。
そんな愛しい我が子が大人になった時、この国はどうなっているのだろうと、今、不安を抱えています。

先日、故郷である四国に帰省しました。

戦争を知っている私の祖母に聞いてみました。
おばあちゃん、最近のニュースをみていると、腹がたってしかたないの。この大人たちは、息子たちの未来を考えているとは思えない。
おばあちゃん、どう思う?と、

わっちゃあ、もうすぐ死ぬけん分からん…といいました。

息子を抱いた私は、
この子が戦争に行かにゃいけんかもしれんよ、と言いました。

戦争はいかん!と、祖母はいいました。

そして一言。
そう思うとってもええけど、キチガイだけにはなりなさんな…と。

キチガイだけにはなりなさんな…

おそらく、政治的な主張をして社会から白い目で見られるように、なってはいけない…と、いましめられたのだと思いました。

「戦争?まさか日本がそんなことになるはずがない」と、70数年前、戦争が始まる前も、皆そうおもっていたのではないでしょうか?

戦争は船にのってやってくるのではないと、あるママが言っていました。


戦争は、武器で儲かる人のために、国内から始まると言った人がいました。
法律を変え、マスコミを利用し、不安や恐れを煽り人々を分断させるのだと言う人がいます。


新聞やニュースをゆっくり読む時間のないママだって、
それが、今、始まっていると感じているんです。


武器で手に入るお金よりも軽い命なんて、この世のどこにもありません。

我が子だけではありません。私たちはだれの子どももころさせない母親たちです。
なので、地球の裏側のどこかで誰かが標的になる武器を作ること、そしてそれを輸出することによって潤う経済なんて母親たちは許しません。犠牲になってもやむを得ないいのちなんてこの世に一つもないのです。

70年間守ってきた平和国家としての歩みが、あんなおしくらまんじゅうで壊され、日本があの日から海外で戦争をすることができる国になったことをと、
みなさんは納得できるのですか?

もういい加減、物分りのいい顔はやめませんか。

おばあちゃんに戒められたって
私は、この口をつぐみません。
わが息子を守るため、だれかの子どもを守るため、
だれかの大切な人を守るため、そして、
だれかの子どもであるあなたを守るために、一人のママとして、できる事を続けます。

ママの会メンバー「3歳の子どものママ」

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